口先英語で発音改善 3/5

前回は場に慣れるで通訳は慣れることが大事だと書きました。しかし相手に分からせるにはやはり発音が大切です。

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2週間が経過してなんとか場には慣れてきました。ところが私の言っていることはあまりアメリカ人に通じないのです。そんな行き詰まっていた私の前に現れたのは帰国子女の人でした。

その人は顧客の会社の人で今回のプロジェクトの関係者でした。

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私が相手するアメリカ人ときたら、どこからそんな音を持ってきたのかと思うような発音をします。口をモゴモゴと言わせ、口の中で音を転がしているような音をだします。帰国子女の人もそうです。口をあまり開けずにモゴモゴと話をします。

帰国子女の人はアメリカ人と同じように話しますがそれでもやはり日本人なのでしょうか母音の終わりは多少明確に感じます。これなら真似ができるかもと思い彼の発音のまねをしてモゴモゴと口の中で話をするようにしました。ところがそうはうまくいきません、もともとモゴモゴと口の中で話をした経験がないからです。

このような複雑な動きに慣れていませんから舌がもつれました。頑張っては見たものの結局2日ほどであきらめました。音韻図で示すような口の中の舌の動きができなかったからです。しかしこのままでは解決にはなりません、そこで発音する時の口の中の動きを考えずに口先だけで小さく発声するようにしてみました。

口をすこし開けた状態で口をすぼませ、唇と舌だけを動かして話をします。

こうするとなぜか単語のキレが良くなりました。しかも最後まで口をつぼめているので母音の発声がしにくくなりその結果より米語らしい発音ができます。

さらにより米語らしいアクセントを出すために通じなかった単語は図の「Webster Word Power」のSpell-outというアルファベットを使った発音記号でアクセントを確かめています。

例えばAcademyならSpell-outでは[/a-ca-de-mee/]になります。これは主アクセントが-CA-だけであることを示し-CA-以外の母音は曖昧に発音せよとも解釈できます。

この場合、私は[/a-]は口の形だけで小声で「ァ」が聞こえるかどうかの音で発音しあいだを開けずに[ca-]を「カア」としっかりと発音してそれから[de]は弱くすぐに[mii]を続けることになります。

この単語は強いアクセントがひとつしかありませんの出来るだけ短く発音する必要があります。私の音では「ァッカ•ディミ」のような音になります。WebsterとKindleのペアなら読み上げが可能ですから読ませてみるとdeの部分はほとんどなくなり「ァッカィミ」のように聞こえます。

しかしながらァッカィミでは通じません。ディは聞こえなくても口の中では形だけは作り、間が必要なようです。

口先だけを使った発音はアメリカ人には聞き取りやすいようです。しかも口の動きが小さいので同じ時間内により多くの単語が言えるようになりました。その分構文がしっかりしてきました。

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3週目の週末から夏休みに入り10日間の長い休暇がありました。この発声法を忘れるのではと心配しましたが、休み明けの座学でのプレゼンテーションをよどみなく訳す事ができました。初日のプレゼンテーションとは昔日の感がします。

まだまだ中国語には劣るとは言えアメリカ人にも分るような通訳ができるめどが立ちました。現在はこの方法を継続しています。


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次回→語学の壁をつき破れ

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