日本語の四つの源流

日本語アクセントの地域分布
日本語の源流となる祖先の言葉は分かっていません。

その母音で終わる発音の形態から南方の言葉、つまりフィリピンやインドネシアなどの南島語との関連が指摘されています。しかし様々な類似がありますが確たる証拠は見つかっていません。

文法も面からはお隣の朝鮮・韓国語との類似から東北中国に多いアルタイ言語との関連があるのではと言われています。しかし朝鮮・韓国語とは音韻的には相当違う言葉です。

日本語のアクセントを分けると大体四つのタイプに分かれます。

東京型、京阪型、アクセントのないI型それに鹿児島のII型アクセントです。私はアクセントを作るのは母系遺伝子のせいだと考えています。なぜなら乳幼児は18か月までに母親の音韻体系をそっくり受け継ぎその後は変わらないからです。例え共通語が変わっても地域のアクセントは保たれます。

そこで私は日本人の母系遺伝子から日本語のアクセントは三つありそれがなんらかの意味で源流に関連しており、それにアイヌ語を加えて四つと考えて見ました。I型のアクセントを除いたのは、I型アクセントが東京型と京阪型が長年接触した結果であり、どちらにもつかない平板アクセントが形成されたためと見て独自の母系を持たないと考えました。

京阪型のアクセントは弥生人との関連が考えられます。大和王朝は弥生渡来系とその後の朝鮮半島・大陸渡来系の民族が形成した王朝ですがここで話される日本語は京阪型のアクセントを持っています。

東京型のアクセントは言語的には京阪型の言語に関東東北型のアクセントや語彙が加わったものです。北九州や山陰・山陽ではこの東京型のアクセントが主流ですがこれはもともと弥生渡来人とは敵対的な縄文人が多い地域であったことと後に鎌倉系の毛利氏の拠点となったことが京阪型ではなく東京型のアクセントとして残ったものだと考えます。

次にアイヌ語のアクセントですが、アイヌ語は現在の日本語とはまったく違います。またアクセントの地図上でも北海道は東京型アクセントになっておりアイヌ語は別言語扱いです。しかし縄文人を代表するY-DNAのD1bがアイヌ人では90%近くの頻度で現れるので縄文人の主要な人的供給源であったことは間違いありません。また語彙統計学の分析によればアイヌ語と日本語は深層ではオーストロアジア語族とつながっていると言われています。

鹿児島のII型アクセントはすでに→ブログで書きましたがちょっと不思議なアクセントです。このアクセントの構造からも鹿児島方言は大和言葉とは違う言語のような気がします。ある意味朝鮮語に似た言語です。鹿児島と言えばサツマイモを想像されますが鹿児島はもともと根栽文化圏に属していた可能性があります。根裁とは芋・バナナ・サイトウキビ等の植物を栽培する文化圏です。

鹿児島には貝文文化という縄文文化とはちょっとちがう文化が栄えていたことがあります。この貝文文化は鬼界カルデラの大爆発で滅びますが南方系の海洋民族の文化でした。その後も南九州で縄文と一緒になって生き延びた可能性があります。或いはその後にやって来たかは分かりませんが彼らの言葉はオーストロネシア語族であろうと考えられます。

このオーストロネシア語族は福建省から台湾に渡りその語東南アジアからハワイ諸島、アフリカのマダガスカル島までに達しました。彼らの文化は根裁を中心とする農耕栽培文化です。里芋の日本への到来は稲より早いと言われています。約4000年前に始まったオーストロネシア語族の拡大とほぼ時期を同じくしています。



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