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中国語の源流を求めて (1/5) 中国語とは

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中国語と周辺言語との関係 6才で台湾に渡り現地校で4年間中国語に触れて来ました。日本に戻ってからも中学は2年間華僑系の学校で学びました。その後も通訳の専門学校に通い仕事も商社での通訳など60年以上も中国語と付き合って来ました。そんな私が「中国語ってどんな言葉」と聞かれると「ん?」と全くわかっていなかったことに気づきました。 中国語って果たしてどんな言葉でしょうか。 去年の10月から大阪YWCAで日本語教師講座を受講し始めました。そこで出会ったのが日本語です。先生から「これからあなた方がいかに日本語を知らなかったかを知るでしょう」と言われました。日本語なら子供の時から話しています。東北や南島の方言でなければまず大丈夫です。ではYWCAで日本語とはどんな言葉として教わるのでしょうか。 YWCAで日本語の音韻構造や構文、歴史的仮名遣い、対照言語学などを教わりました。講義はほんのさわりだそうです。これからは講義のテキストで参照された本を買って自分で勉強するようにと言われました。 私は素直な生徒ですからテキストに参照と書かれている本は最低でも一冊は読みました。おかげで本が100冊ほど本棚に並びました。そこでこれらの本で学んだことやまだ理解していないことを別の言語に当てはめて勉強するようにしました。まず対象に選んだのが中国語です。その体系を理解するためにまずは「源流」を探索する事にしました。 やってみて分かったことはそれがやたらと難しいということでした。しかもどこにも回答が準備されていないということも分かりました。中国語はまだ源流探索が終わっていない言葉だったのです。 *** このような探索の訓練を受けてませんのでまず手始めに金田一春彦氏の『日本語』から中国語との関連がありそうな項目を抜き出して表にしてみました。外観だけでもつかもうと思ったからです。 この表から見ると中国語は文法・単語的にはアジア東南の言語と似ているが音韻的は異なることが分かりました。また異なる言語形態の日本語はあまり参考にならないことが分かりました。 表の中で気づいたことの一つに、金田一氏は中国語には日本のような「コ・ソ・ア」近・中・遠の三指示はないと言われていますが、中国の最初の王朝と言われる「夏」の都があった山西省には現在でも「コ・ソ・ア」近

日本語能力試験とTOEICの関係

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日本語能力試験とTOEICの関係 TOEICは今や日本のサラリーマンにとって大変なプレッシャーです。学生さんにとってもTOEICは入社試験の足切りに使われますから得点が気になるでしょう。 ところでTOEICは一体何点取れば良いのでしょうか。それを外国人が受ける日本語能力試験との比較で考えてみたいと思います。 図は日本語能力試験とTOEICとの関係です 。 この図で分かりますように、日本語能力試験の最高レベルのN1クラスでもTOEICでは650点以上にしかなりません。 根拠は →実用日本語検定「J.TEST」 。 それならTOEICは650点あれば良いことになります。 事実日本の一流企業や大学はこのレベルで外国人を受けいれています。これが日本の大学や企業が期待する日本語能力のレベルだと言えます。 私が社内翻訳者として働いていた大手電機メーカーでも外国人の中途採用は日本語能力試験の一級(N1)を持っているかどうかで判断していました。 社内には何人かのN1取得者がいました。会話はそれほど流暢でない人でも、メールや報告書ならちゃんとしたものが出せます。言い回しがさほど上手でない人でも意味の言い違いをすることはありませんでした。このレベルになると、少なくとも自分の実力が分かりますので、不安があれば自己チェックをするかまわりの日本人に確認をします。 そういう意味で日本語能力試験N1相当がTOEICの650点レベルならTOEICで達成した後はもう試験を受ける必要はないでしょう。しかし会社はそうは思っていないようです。 そこにはTOEICと日本語能力試験の微妙な違いが存在するからです。 *** TOEIC と日本語能力試験の違い J.TESTがどのようにしてTOEIC 650点をN1級相当として割り出したか分かりませんがこの TOEIC 650点とN1の比較にはやや注意が必要です。 N1の合格はN1に限定された問題を60%以上正解すれば合格できるという学力試験です。一方TOEIC の方はプロフィシェンシーと呼ばれる運用能力が問われるテストです。業務知識の有無、素早い反応、その上で英語力が問われる試験です。日本語の →N1クラス の問題例から分かる通り運用能力や俊敏性とはあまり関係がありません。 さらにTOEICには誤差が加

英文法ソフト Grammarly

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Grammarly on MS Word Grammarlyという英語の文法ソフトを使いました。 無料で試すことができるソフトですが、金を払わないと「Oops!」「文章が短すぎる」などの理由をつけてだんだんとリクエストをはねつけることが多くなります。しかし英検二級程度で英語を書かざるを得ない人には有用なソフトだと思います 。 Grammarlyを使い始めて2回契約を継続しました。つまり3年使ったことになります。 最初に使い始めた一年間は、英語の文章を入れるとあちらこちらでミスが指摘されて、時にはA4原稿のミスが2桁にものぼることがありました。 その上、なぜそう指摘されるのか、そのミスの原因さえも理解できなかったことがあります。 それで適当に当てずっぽうに単語の位置を入れ替えたりしてみましたが、なかなかミスは消えません。 そのようにGrammarlyは自分の能力を認知させてくれます。 2年目に入るとだいぶ使いなれて来ました。 基本文法に忠実な文章であればミスの出現はほとんど防げるようになりました。 つまりこのソフトはぎこちない文章であっても文法さえ正しければそれでパスしてくれます。そのためには文章はできるだけ短くして、句点、区切りを指示された通りに使えばともかくは使えるようになります。しかし文章はブツブツと切れた感じになります。 ちなみにネーティブの書いた流暢な英文をGrammarlyにかけると多くのミスが指摘される場合があります。 3年目に入った現在は翻訳をしていても時には使わない場合があります。 使う時はほとんどが翻訳後のチェックです。冠詞の抜け落ちや時制の不一致、スペルや句読点のミスなどのチェックに 使っています。このような使い方だけで年間 使用料の15,000円は個人にとってやや高いように感じます。他にさまざまな用途で使えるようですが 結局3年で契約継続をやめました。 英語の翻訳が毎日ありました頃は使う値うちがありました。

時代を映す歌

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香港空港で展示していました。 作者の名前を記録するのを忘れました。もうしわけありません。 時代が後戻りしているような気がします。集団的自衛権とは戦争へ向かう道だと言われています。 平和な日本、戦争を放棄したはずの日本が、戦意をあおるニュースや解説などであやまった方向へと導かれているような気がします。 そんな時代に抵抗した庶民の歌がありました。 よさこい のんき節 すーちゃん節 ノーエ節 デカンショ節 十九の春 ストトン節 ああわからない 東京節 ダイナマイト節

日本語を学ぶ

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京成谷津団地に育だつフェイ・ジア 大阪YWCAの日本語教師講座を受講し始めて早くも10ヶ月が過ぎました。講座は、日本語教師の資格を得る420時間の受講時間が最短でも一年半かかる地についたものです。 他の学校なら同様の講座で長くても一年、短ければ半年で終わるものです。しかし私はこの時間割を選んだのは間違いなかったと思っています。更には一年半の講座を三年かけて学びたいとさえ思っています。 学び始めて分かったことは、日本語教師になるには、大学で語学や国文学を専攻したか、または国語の教員資格を取得している人でなければ、日本語教師の知識を獲得するには相当時間がかかるということです。 日本人にとって日本語とは、やや古い言葉ですが、自己薬籠中の物、手慣れたモノとして、簡単に教えられるように思えますが、ところがどっこい、それを教えるとなると、知識として、つまり薬籠(薬箱)の中から取り出した薬の効用を知らないと、病人に与えるとと百害あって一利なしと逆効果になる可能性があります。 よく例に出されるのは、外国人の初心者が質問をする「は」と「が」の使い分けですが、実はこれには定説がなく、教える人さまざまで、いつまでも外国人を悩ませるようです。私も大胆に、中国語を使って対照言語的にまとめられないかと一月ほど悪戦苦闘してみましたが、結局水泡に帰し、あとで多くの研究にあたりました。 まあ、10ヶ月間大したことはマスターできませんでしたが、成果としては、今まで独学では分からなかった国際音標の知識が分かってきたことと、『平家物語』の文面をさほど違和感なく眺められるようになったことです。