日本人の英語読解力

MetaMetrics Lexile white paperから
アメリカの義務教育の現場にはLexileという子どもの英語読解力を示す指数があります。すべての教育現場とは言えませんがアメリカの多くの学校で採用されています。

アメリカの義務教育期間は日本の幼稚園の年長から高校3年までの13年間ですがこの間Lexileは読解力の指標として使われます。

この読解力という項目はOECDの学習到達項目の一つです。しかし日本の国語教育ではこのような指標はありません。ただ「読む力」とアイマイに定義されているだけです。また日本の学童は一般的に読解力が弱いと指摘されています。国語教育がこのように弱体ですから母語の基礎の上に立つ外国語のひ弱さは否めません。

なぜ読解力が重要かと言いますとそれはすべての学習能力の基本であり読解力がなければ次のステップへと進めないからです。その為にアメリカの教育現場では読解力の成長を細かく区分けして見守っています。

表は「英検・TEAPに関する読解度指標であるLexile指標を用いた検証」を参照したものです。その他Amazonの英語難易度別リーディングからTOEICのRの得点とLexileのレベルの関係を共に中間値で拾い出しました。


年齢進級時 K Level 日本の級 Lexile M 英検 TOEIC R Lexile M
5            
6 0 年長        
7 1 小1 208      
8 2 小2 358 5級    
9 3 小3 588 4・3級 125 600
10 4 小4 793 2級 200 775
11 5 小5 925 2級 275 850
12 6 小6 1,010 2級 325 950
13 7 中1 1,080 2級 375 1050
14 8 中2 1,140 2級・準1級    
15 9 中3 1,195 準1級    
16 10 高1 1,243 準1級 425 1250
17 11 高2 1,285 準1級 475 1300
18 12 高3 1,285 準1級    
      1,350 1級    

***

この表から分かることはアメリカのK4からK12までの12年間を英検は2級と準1級という二つの枠でとらえている点です。準1級も昔は2級の中に入ってましたから英検は読解力とは何かをまったく掴んでいないことが分かります。

アメリカでLexile指数を採用するのは子どもたちの読解力が分からないと個別の指導に支障をきたすからです。日本の学校は英検をたよりに英語の実力を評価していますから如何に雑だかが分かります。

私たちの世代はTOEICが出来る前の世代で英検だけが指針でした。とにかく2級通過を目指しました。後は実践だけでした。しかし現在英語が国際的になり特に理学や情報産業そしてビジネスの面では第二言語つまり母語の次に必要な実用言語になっています。そういうことを考えると英検もLexile のような日本人の読解力を考えた細かなステップを採用する必要があるのではないでしょうか。

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