大陸渡来人


幼いころ遊んだ街角 長沙街二段 馬祖廟
前回→上戸と下戸遺伝子について書きました。今回は中国大陸由来の遺伝子O3から渡来人を考えてみたいと思います。

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中国人のほとんどが持つ「O3」遺伝子には代表的な2つの変異型があります。「O3*」と「O3e」です。

「O3」遺伝子のうち「O3*」はO3-M134とも呼ばれ中国ではシナ・チベット語族とミャオ・ヤオ語族によく現れます。一方の「O3e」遺伝子はO3-M7とも呼ばれオーストロアジア語族によく現れる遺伝子です。二つの遺伝子の分布のちがいは一方が雲南省などの内陸部に多く、一方がベトナム沿いの海岸部に多いということになります。

この2つの遺伝子だけでも中国人の父系のY染色体の半数以上を占めているので中国人のマーカー遺伝子とも言われています。

このO3遺伝子の分布を前回のブログの表を元にさらにくわしく見ていきます。

旭川人   O3: 11.7% O3*  7.5%  O3e 4.4%
関東人   O3: 14.5% O3*  7.2%  O3e 7.3%
名古屋人 O3: 21.8% O3* 15.0%  O3e  6.8%
関西人  O3: 23.9% O3* 13.5%  O3e 10.4 %
沖縄人   O3: 20.6% O3* 16.0%  O3e   4.6%

韓国人  O3: 44.5% O3* 17.2%  O3e 27.3%
上海人   O3: 43.3% O3* 26.6%  O3e 16.7%
台湾人   O3: 58.2% O3* 29.2%  O3e 29.0%

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それぞれの地域におけるO3eとO3*の比率を比べてみました。

韓国ではO3eはO3*の1.6倍になりました。
これは韓国人の先祖のうち海岸沿いに上って来た人数が内陸部から来た人数より多いということになります。あるいは中国のより南部から渡ってきた先祖のほうが、韓国では揚子江沿いに渡って来た先祖よりも人数が多かったことになります。

日本の場合はこの逆のようです。
揚子江沿いに海岸に出てから日本に来たO3*遺伝子が多く現れます。
渡航元の上海の遺伝子の比率からも日本の中国大陸系の渡来人の多くがこの地から来たことを伺わせます。

  O3* O3e 倍率
韓国 17.2 27.3 1.6
関東 7.2 7.3 1.0
台湾 29.2 29.0 1.0
関西 13.5 10.4 0.8
上海 26.2 16.7 0.6
旭川 7.5 4.4 0.6
名古屋 15.0 6.8 0.5
沖縄 16.0 4.6 0.3

この表から分かりますことは、同じ中国大陸からの遺伝子でも日本人と韓国人で大きく異なり日本人はミャオ・ヤオ語族系と近く、韓国人はオーストロアジア語族系に近いということです。

次は→熱効率から日本人について考えてみます。






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